娘が拒食症になりました①受け入れられない事実と混乱の始まり
2011年春に長女が拒食症と診断されました。
当然、母親である私は慌てました。
まずは、私自身が「その事実を受け入れられない」というところからのスタートでした。
事実を受け入れらなかった私
6年生の4月。
学校の健康診断をもとに、保健室の先生から伝えられたのが始まりです。
「〇〇ちゃん、もしかすると拒食症かもしれません。かかりつけの小児科の先生に一度診ていただいてください」
そのとき、身長143cm体重27kgくらいだったと記憶しています。
身長に関しては、5年生の春からほとんど伸びていませんでした。
なにか途方もないことが起ころうとしている。
心臓はバクバクとし、足は震え、急いで家に帰り震える手でパソコンを開き検索しました。
「拒食症」
目に飛び込むのは、見たこともないネガティブな情報ばかり。
なに?どういうこと?
それらの情報を読めば読むほど、どうしても「我が家のケース、そして娘には当てはまらない。」そう思えてなりませんでした。
そして、得体の知れない不安とともに怒りが湧いてきました。
そもそも食べてるし!
確かに最近小食気味だけど、食べてるし!
6年生にもなれば、ちょっとませた子ならダイエットくらいするでしょう…
こんなに愛情いっぱいに育ててるのに、拒食症に罹るなんておかしいでしょ!
地元の小児科のクリニックにかかります。
ドクターはおっしゃいました。
「おそらく拒食症ですね。うちではみれないので病院を紹介しますね」
私は、食い下がりました。
「先生。娘は食べています!拒食症ではありません。他の疾患があるんじゃないでしょうか?食べているのに痩せるなんて、おかしいでしょ?もう少し調べてください、お願いします」
けれどドクターは首を横に振って、とにかく別の病院へ行くように私を説得しました。
わたしは納得できず、怒りを覚えました。
本当は不安でしかたないのに。
拒食症ではないことを、今すぐ証明して安心したかった。
振り返れば、わたしは自分のことばかり。
そのときの不安そうな娘の気持ちに寄り添う余裕なんてゼロでした。
肩を小さく振るわせて「ママ?ママ?」という娘のこと何も見ていなかった。
無理やり食べさせる
その日、娘と家に帰り、私は娘におやつを食べることを強要しました。
「◯◯ちゃんは本当に拒食症なの?違うでしょ。ほら、ちゃんと食べてみせて!」
娘は私が出したものを、じっとみつめ、それから泣きながら食べました。
「ほらね、拒食症じゃないじゃない!食べれるじゃない!」
晩ごはんは、カツカレーを作りました。
「ほら、食べられるよね?」
次の日は、娘の大好きだったパンを焼きました。
「ほら、食べなさい」
いらないという娘の口に、私は泣きながらパンをねじ込もうとしました。
「ほら!食べなさい!」
娘は、半狂乱になって泣き叫びました。
私も、半狂乱です。
「そんなに嫌なら、もう食べなくたっていい!」
私がダイニングを出ていくと、しばらくして娘がシクシクと泣きながら
「ママごめんなさい。私、食べるからね」
そして、泣きながら小さくちぎって口に入れて見せてくれたのでした。
本当は、怖くて怖くて仕方なかっただろうに、
ただただ、わたしを安心させたかったのだろうと思います。
その日以降、私は娘の食事の様子を観察するようになりました。
そして、驚愕したのです。
食べていると思っていたけれど、彼女は上手に残していたのでした。
口に入れるふりをして、ぽろっと落とし、そっとティッシュにくるむ。
その繰り返し。
ああ、こうやってこれまで食べているふりをしていたんだ。
娘が拒食症であることを、私はようやく認めたのです。
克服ストーリーをコラムとしてあげています。
是非、お役立てください。