もしも、魔法の言葉があるのなら
ごきげんよう。
公認心理師の渡辺貴子です。
ご覧くださり、ありがとうございます。
長引く不登校、拒食症…。
こんなとき、何て言えばいいんだろう。d
どんなふうに言い聞かせればいいんだろう。
子どもに効果的な言葉が使えたら…。
届けたいのに、届かない
もどかしい親の想い…。
我が子への言葉掛けに、
こんなにも戸惑うなんて…
そう思うことは、ありませんか?
もしも、魔法があるのなら
カピカピの硬く乾いた土に、水をやる。
土がその水を瞬時に受け入れてくれるでしょうか?
乾ききった土は水とすぐには馴染めずに、
せっかくの水も、弾かれてしまいます。
ちゃんとあげたつもりでいても、土に浸透していきません。
観察していると、わかります。
鉢植えならば、鉢の縁をつたって下に流れてしまいます。
根にはなかなか届かないのです…
一度たっぷりと水をかけ、水と土を馴染ませる。
その後は適度な水やりが重要です。
時間と手間がかかるんです。
時間と手間は、
植物への「愛」だと思うんです。
この愛を惜しんで、渇ききった土に即効性のある強力な肥料をあげても、それは土にも根にも吸収されません。
永遠に生き続ける言葉
少し、イメージしてみてください。
今から10年後、20年後、30年後。
あるいは、子どもの結婚式。
あるいは、あなたの人生最後の日。
その時。
あなたの目に映るお子さんに、
あなたはなんと伝えたいですか?
そして
お子さんから、なんと言われたい?
今じゃないですよ。
10年後、20年後、30年後、です。
最愛の子どもたちから
どんなお母さんだったと憶えられたいですか?
どんな言葉を子どもたちに残したいですか?
たとえば結婚式の披露宴。
新郎新婦がお母さんへの手紙を読み上げるシーンで、私たちが涙することありますよね。
お母さんは号泣です。
そんな幸せいっぱいのクライマックスで語られる言葉。
共通するキーワードがあります。
それがすごくヒントになるなあ、と私は思うんです。
私たちは、幸せになるために生まれてきた。
幸せな人生を生きるのに重要なことって、
なんでしょう。
超シンプル!今すぐ実践できる言葉がけ
想いを伝え、愛を表現するのに、
その時を待たなくていい。
イベントを待たなくていいんです。
今すぐ伝えたらいい。
永遠につながり、
その人の中で生きつづける魔法の言葉を
子どもから貰うのを待つのではなく、
私たち親から子へ与えたらいい。
・ありがとう
・ごめんなさい
・愛してる
すでに私たちが知り尽くしている言葉。
誰もが知っている言葉だけれど、心を込めて日々相手に真に伝えている人は、あまりいないのではないでしょうか。
私と娘たちとの日々は、この言葉の特訓だったように思います。
これを伝えていくことが、私に、そして私たち親子に必要だった。
本当に大切なことって、
いつだって、とってもシンプル。
なのに、私たちは難しく考えます。
複雑に、こねくり回します。
正しさや、こうあるべきという価値観、
勝ち負け、自身の思い込みや期待。
エゴやプライド。
それらによって、本当に大切なものが曇ってしまう…。
「なんて言葉をかけたらいいだろう…」と考えてしまうのは、どんな時?
拒食症、不登校。
子どもたちを目の前にして、
私はいつの間にか途方に暮れるようになっていました。
これまでの自分の関わり方が通用しなくなり
「どんな言葉を掛けたらいいのだろうか」
と、正解を探すようになりました。
でも、上手くいかない。
我が子なのに、掛ける言葉を失う。
正解がわからず、フリーズしてしまう。
挙句に感情をぶつけて喧嘩になる。
あなたはどんな時に、「なんて声を掛けたらいいだろう…」ってなりますか?
子どもの様子がいつもと違う時
子どもが約束を守らなかった時
子どもがネガティブなパターンにはまった時
子どもがいつまでも変わららないと感じる時
そんな時でしょうか?
私はこの全部だっだな…。
そんな子どもの様子を感じ取った瞬間に、
こちらの心はザワザワしたりモヤモヤしたり、
イラッとしたりしてしまう…。
自分の心がそんな状態のまま
「子どもにどう言葉掛けしようか?」
というチャレンジはとても困難なものでした。
当然だと思います。
たとえ魔法の言葉掛けのレパートリーを知っていたとしても、
そんな状態では使いこなすのは至難の業ですよね。
私たちが
「なんて言葉をかけたらいいんだろう」
と考える時って、
こちら(親)の期待と違うことが起きているときだと思うんです。
平常時には自分の発する言葉に無自覚なくせに、
非常事態になった途端に焦ったり考え込む。
「こんな時の言葉掛けは…?」
「なんて声をかけたらいい?」
「なんて言えばいいのよー!」
と、右往左往してしまう。
なんでもない時にこそ、かける言葉を意識して
なんでもない日々の関わりの積み重ねこそが、お互いの心に橋をかけるのに、何かあったときに慌てて言葉がけを取り繕い、それで上手くほうがおかしい…。
だからね、逆なんです。
日常こそ、言葉掛けを意識する。
・ありがとう
・ごめんなさい
・愛してる
なんでもない時ほど、伝えて欲しい。
お子さんとの日々のなかで、シャワーのように。
降り注ぐ太陽の光のように
優しい月の光のように
大地に注ぐ、光のシャワーのように
お子さんの心に、愛の言葉のシャワーをかけるんです。
・ありがとう
・ごめんね
・大好きだよ
愛の魔法を、言葉でも態度でも
もしも今、心から感謝する人に
「ありがとう」と伝えることができたら…
もしも今、心から謝りたい人に
「ごめんね」と伝えることができたら…
もしも今、最愛の人に
「愛してる」と伝えることができたら…
私たちは、人生最後の日まで待たなくたっていいんだよ。
イベントまで待たなくていい。
ありがとう
ごめんね
愛してる
どんな人だって、いつ死ぬかわからない。
いつ、別れのときがくるかわからない。
大切なのは、今、この瞬間の連続なんです。
今すぐ伝えられる魔法の言葉。
心の深いところに、浸透させていくように
素直に正直な愛を表現しても
もしかしたら、はじかれるかもしれない。
待ってました!
とすぐには受け取ってはもらえないかもしれない。
それでも、
私たち母親には、
最愛の子どもたちの心の深いところに
永遠につながり、生きつづけるものを贈る力がある
と、思うのです。
それができるのは、お母さんなんです。
まもなく冬休みが始まります。
今すぐできるチャレンジです。
心の土壌に愛のシャワーを。
ぜひっ。
最愛の子どもの拒食症、不登校。
親としてとてもツラい。
けれど、最高の学びの時間をいま、過ごしています。
素敵なプレゼントだったと、思い返す日が必ずきます。
お母さんの微笑みが、
あなたの微笑みこそが、
お子さんにとっての光です。