【拒食症・不登校】寄り添い方がわからない | 『公認心理師』渡辺貴子トレーナー

【拒食症・不登校】寄り添い方がわからない

ごきげんよう、渡辺貴子です。

素敵な珈琲の趣味ができました。

最高に美味しい珈琲の淹れ方を教わったんです。

雑味がなく、澄みきった珈琲は、私の中のコーヒーの概念を一瞬で書き換えちゃった。

珈琲が苦手だった娘が美味し〜と絶賛してくれる。

 

フェアトレードの豆を丁寧に洗って丁寧に焙煎された豆。

それをガリガリと挽いて、丁寧に淹れていく。

世界と繋がり、宇宙と繋がるマインドフルネスな珈琲タイム。

教わったやり方も、回を重ねるごとに、少しずつ上手になってきているような気がします。

味が良くなってる!

寄り添い方がわからない

頭ではわかっているのです。

いろんな本に、いろんなブログに、そうやって書かれているし。

カウンセラーさんや先生といわれる方々からもそう言われるんです。

頭ではわかっているんです。

寄り添うことが大切だということを…

子どもの話を聴くことが大事だっていうことも、わかっているのです。

母親が子どもへのコントロールを手放すとか、

子どもを信じて見守るとか、

お母さんが笑顔になるとか、

知識ではわかっているのです。

それらが大事だということは重々承知なのです。

「でも、どうやったらいいのかわからない!」

そう、感じることはありませんか?

私は、ありました。

長女の拒食症がはじまった当初は「寄り添う」という概念すらなかったです…汗

自分は子どもの話を聞いていると思っていたし、子どもを見守っていた…つもりになっていたから。

だからね、できてると思っていたの。

「子どもの話ですか?ちゃんと聞いてますよ」みたいな感じ。

これだけちゃんと聞いてるのに、あとどれだけ聞いたらいいっていうの?

何にも気づいていないのだから、変わりようがなかったのです^^;

人は、他人にどれだけ指摘されようとも、自分で「あれっ?」て気づけなければかわれませんもの。

だから、

もしもあなたが、

「どうやったらいいのかわらない」

と感じているということは、すでに気づいているということなのですよね。

 

なんか違う気がする…

こうではないような気がする…って。

 

そして、気づいたがゆえに苦しい。

だってできない。やりかたもわからない。

子どもの反応をみれば、できてないことは一目瞭然だ。

話を聴くって、いったいどういうこと?

見守るってなに?

寄り添うって?

どうしたらいいの????

わからないことは、学べばいい

お料理には知識・テクニックが必要です。

手順ややり方、美味しいレシピがあればいいよね。

お料理には、テクニックが必要。

話を聴くのにもテクニックがあります。

やり方を知らずに、美味しい料理が作れないように、やり方を学んでなければ「聴く」も難しいのです。

そう。コミュニケーションにもテクニック(知識)があるのです。

そして、知識やテクニックを学んでも、実際には上手くいかないのがコミュニケーションなんです。

 

コミュニケーションは実際に体験することだから。

本や文章から学んだだけでは上手くいきません。

若い頃を思い出してみて。

お料理も、レシピ見たっていきなり上手にはいかないですよね。

料理本や知識は体験じゃないから。

コミュニケーションもお料理と一緒なんです。

美味しいものを食べたことがなければ、その美味しさを語ることはできない。

それを作り分かち合うことはできない。

私たちはもしかしたら、これまで本当の自分の気持ちや想いを聴いてもらった体験というものが乏しいのかもしれません。

体験したことがないのだから、わからないのです。

多くの場合、わからないこともわかりません。

 

・相づちをうとう

・おうむ返しをしよう

・自分の意見は一旦脇に置いて、まずは話を聞こう

知識だけではできないことに気づきます。

だから、体験してほしいのです。

コミュニケーションは学ぶことができるから。

そして、話を聴いてもらうってどういうことなのかを体感してほしいのです。

自分の話を聴いてもらえた時の感覚を味わってほしいんです。

話を聴いてもらえた時、何を感じるのか。

安心感?大切にされてる感?承認?

何を感じるのかに気づいてほしいのです。

 

本当に美味しいコーヒーを知らなければ、本当に美味しいコーヒーを相手に差しだすことはできません。

まずは、聴いてもらえるってどういうことなのか、寄り添ってもらえるってどういうことなのか、体験してほしいなと思います。

愛をもって深く聴く

もしかしたら、お母さんが話を聴いてくれるようになったら、お子さんからたくさんの吐き出しがあるかもしれません。

お子様の怒りが溢れ出てきて、それをぶつける対象になることもあるかもしれません。

そんなとき、頭では理解できたとしても、本当に辛くなります。

私たちの心の状態が不安定になると、テクニックはたちまち使えなくなります。

聴くテクニックは使えなくなるのです。

また、かろうじて対応できたとしても、テクニックだけで対応しようとすると、ほぼ必ず子供に見破られてしまいます(私はよくそれで、娘たちをブチギレさせていました)

もちろん、聴くことを実践したからこそ、子どもたちは安心して吐き出せるようになったのですけれど…。

 

怒りの爆発も、不器用な愛の表現なんです。

今はそうとは思えないかもしれないけれど…。

そんな言葉をそんな態度で吐き出さなければならないほど、苦しくて辛い気持ちをわかってほしいのです。

そのためには、やっぱりそれを受け取るだけのお母さんの心をお母さん自身がトレーニングする必要があるんじゃないかなって私は思うのです。

だって、つらいじゃないですか…。

大切に育ててきた子どもに、悲しい言葉を言われるのは…。

ご自身のそのつらく苦しい気持ちは、ご自身が丁寧に寄り添い向き合う大切なものです。

怒りも悲しみも苦しみも、癒していくことができます。

そうなんです。

子どもも私たちも同じなのです。

このつらく苦しい想いは、いったいどうしたらいいの!?

 

子どもは幸いなことに、あなたにぶつけることができているのです。

あなただから、お母さんだから、助けてほしくて、わかってほしくて、ぶつけているのです。

そんな気持ちなんだね。

そんな想いだったんだね。

つらかったね。気づいてやれなくてごめんね。

大切なあなたの気持ちを教えてくれてありがとう

じゃあ、あなたは?

あなたの気持ちは?

必要な時は、誰かに助けを求めてください。

お子様があなたにそうしているように。

そして、ご自身がご自身の気持ちに寄り添ってあげてください。

頑張っているご自身を癒し、理解してほしいのです。

それがご自身と向き合うということです。

子どもは、私たち親にぶつけられるけど、

私たちは子どもにぶつけることはもうしたくないですよね。

大人になった私たちは、自分と向き合うことができるのです。

そして私たちは、

大切な子どもが自分自身と向き合うことのサポートができるのです。

寄り添いながら。

そして気づいたとき、

お子様の苦しみを「愛をもって深く聴く」ことが

できるようになっているはずです

「あなたがこれまでずっと抱えてきたものを、よかったらお母さんに教えてほしいな」

そんなふうに聴くことができたとき、お子様は心を開くチャンスを得ることができるのです。