娘が拒食症になりました③娘の特性と度重なる引っ越し | 『公認心理師』渡辺貴子トレーナー

娘が拒食症になりました③娘の特性と度重なる引っ越し

ごきげんよう、渡辺貴子です。

年末。娘たちは大忙し。

大学時代、高校時代、中学時代の友人たちとの時間を楽しんでいるようです。

加えて、自分たちの為したいことも。

エネルギッシュな姿が眩しいほどです。

 

我が家の拒食症ストーリーを書き始めています。

もう、12年前になるのかな。

記憶をたどりながら書いてます。

前後するところもあるかと思います…汗

娘の特性〜幼稚園、小学校生活

長女が小学校に入学し、最初の夏休み前に主人が転勤になりました。

(このとき、次女は3年制の幼稚園の年少さん)

幼稚園や社宅のお友だちたちに、盛大に見送ってもらったっけ。

苦労はしたけれど、その土地で良い人間関係をつくれたんだなーと、ありがたい気持ちでいっぱいでした。

1学期間だけの関わりだった担任の先生からのフィードバック。

「とても個性的な子。集団行動が苦手。じっと座って話を聞くのも不得意なのかな?立ち歩くことはないが、始終足を動かし、上の空で、心ここに在らずな感じ。図工や理科の観察などは素晴らしい。慣れない学校生活で、周りに合わせるために一所懸命。お友だちとは仲良くできます。」

こんな感じのことを言われたような気がします。

 

しっかり保育の幼稚園で、みんなと同じことをするのに抵抗していたのを思い出しました。

幼稚園のお迎えの時に、担任の先生が

「お母さん!今日は〇〇ちゃん、運動会の練習をすごく頑張ってくれたんですよー!」
とっても嬉しそう教えてくださる先生に違和感を感じ、
「いつも、どんな感じなんですか?」と尋ね返したら

「いつもは、「いい加減もう飽きた!」

と、参加せずに日陰で座ってますとのお返事でした…

とのお返事だったのを思い出しました。

そういう娘でした。

絵を描くこと。

粘土や工作、そして昆虫。

それらが大好きで、夢中になるとずーーーっと集中していました。

アトリエ(アートスクール)に通っていましたが、

そこでの時間が大好きでした。

娘が一番イキイキする時間でした。

厳しい幼稚園で訓練したおかげか、学校生活という枠にどうにか合わせようとして、それがどうにかできていたのだと思います。

娘の特性を理解しながら、私はそんな個性的な娘が大好きでした。

私自身は幼い頃から親や周りの期待に応える規範型のいい子ちゃんだったので、そんな娘が羨ましく眩しかったのです。

私は幼稚園の卒園の時の将来の夢が「小説家」でした…笑

親が、本を読みなさい!本はすばらいい!って言っていたからです…笑

小説なんてろくに知らない幼稚園生が、小説家になるって…

親に喜んで欲しかったんでしょうね。

だからかな。

娘のことをとても素敵だなーって、思ってみてたんです。

それが強すぎて、

学校に合わせるツラさを娘が感じているかもしれない…という視点を私は当時持っていなかったように思います。

初めての転校

以前に住んでいた街に戻るかたちでの転勤が、小学校1年生の夏にありました。

教育熱心な地域で、幼馴染もそれぞれ私立の小学校へ進んでいました。

あるいは、私立中学受験に向けて早くもママたちが準備したりしているような街でした。

同級生もたくさんの塾とかお稽古事をしてたなー。

私たちは社宅に住んでいました。

ある日の食事中、どこからかピアノの音が聞こえてきました。

それはショパンの幻想即興曲でした

とてもスリムで色白で綺麗な2つ年上の女の子(小学3年)でした。

この曲が弾けるようになりたい!!!!

そういって彼女に憧れを持ちながらピアノを習い始めました。

いきなりショパンが弾けるわけもなく、ゴールの遠さに、よく泣いていました。

そんな時に、私がどんな言葉をかけていたかと思い返すと

「泣いてても、上手くはならないよね。」

「自分で決めて始めたことだからね!頑張ろうね!」

「習ったばかりなんだから、できないのは当たり前でしょ。上手になりたいなら頑張らなきゃね」とか

「いきなりショパンなんて弾けるわけないでしょ。〇〇ちゃんがどれだけ練習してきたか聞いてごらん?」

「千里の道も一歩から」的なことこと

正論と頑張れ!の繰り返しでした。

言葉で諭すような関わりだったなーと思います。

「あんなに素敵な曲、弾けるようになりたいんだよね」

「すぐに弾けると思ったんだね。悔しいね」

「上手になりたいんだね」

「ママにたくさん、〇〇ちゃんの気持ちを教えてくれてありがとうね」

こんな言葉をかけたことはなかったなー。

新しい学校、新しい環境の中で一所懸命に頑張っていた娘。

そんな頑張りも、私は当たり前のことだと思っていました。

みんな、頑張ってるからね!

それ、当たり前のことだからね。

ってか、みんなはもっと頑張ってるからね。

学習塾に、英語塾に、ピアノに、習字に、体操教室に、クラブに。

でも、あなたは?

あなたは好きなことだけ、やらせてもらってるんだよ?

それくらい、頑張らなくちゃね。

こ、こ、こわい…

今、思えば、怖すぎる…

 

好きなことさせてあげてるのだから、

そのかわり、ちゃんと生きなさい!

なんて、おそろしい操作主義なんだろう。

あまり怒ることのない、どちらかというと言葉で諭す優しいお母さん。

でも、真綿でそっと締める…

そんなお母さんでした。